移行先のサーバーOSが決まった場合でも現在のサーバーを新たなバージョンのOSに移行する手順にはいくつかの選択肢があります。ここでは現在のWindows server 2008/2008 R2を同じくWindows server 系のより新しいバージョンに移行する方法の種類を説明します。
インプレースアップグレードとローリングアップグレード
インプレースアップグレードとはこれまで使っていたサーバーをそっくりそのまま入れ替える形でアップグレードする手法です。これまでサーバーが占めていた場所にそのまま新しいサーバーを入れるため「インプレース」と呼ばれます。
インプレースアップグレードではこれまでのサーバーと新しいサーバーとは別々のコンピューターにしておき入れ替えの際には
①ネットワーク上でそれらをつなぎ替える方法
②同じコンピユーター上でソフトウェアーだけを入れ替える方法
があります。前者の場合は新旧2台のコンピューターが必要となります。後者の場合は新たなコンピューターを購入する必要さえありません。最も安価なアップグレード方法となります。ただ前者の場合であれば古いサーバーさえ保管しておけば仮に新しいサーバーで問題が発生した場合でも古いサーバーに戻せばこれまでの環境が取り戻せるため障害発生時に強いアップグレードとなります。
ソフトウェアだけを入れ替える場合は新しいバージョンのOSをセットアップする間サーバーが使用できなくなります。サーバーが使用できない時間のことを「ダウンタイム」と言いますがこのダウンタイムはコンピューターごと入れ替える方法では数分で済むのに対し、ソフトウェアだけをバージョンアップする場合には数日間に及ぶこともあります。
ローリングアップグレードはこれまでのサーバーと新しいサーバーを共にネットワークに接続しアプリケーション、データ、機能などを徐々に新しいサーバーに移行させるアップグレード手法です。
ここではより安全で問題が発生しづらい新しいコンピューターを用意して移行するインプレースアップグレードを選択することにしましょう。